【大学3年生でNPO法人設立】現役理事長が語る原点と今の想い

  • 社会のために何かしたい。でも、何から始めればいいかわからない
  • 無料の支援活動をしているけど、資金や協力者に限界を感じている
  • NPO法人って聞いたことはあるけど、実際に設立できるのか不安…

社会を少しでも良くしたい――そんな想いを持っていても、「想いをどう“形”にすればいいのか」で立ち止まってしまう人は少なくありません。

この記事を書いた人

目﨑 敦也(めざき あつや)
アスタノ行政書士事務所

現役NPO法人理事長として、子ども支援団体NPO法人Unityを運営中。行政書士として、NPO法人の設立から助成金申請・運営サポートまで幅広く対応。

これからNPO法人を立ち上げたい方や、運営に悩む方をサポートしています。現場の経験をもとに、わかりやすくお伝えします。

この記事では、大学生だった私が、仲間とともにNPO法人を立ち上げた実体験をもとに、設立のきっかけや、準備中にぶつかった壁、そこから得た学びをリアルにお伝えします。

この記事を読めば、「自分にもできるかもしれない」という勇気と、NPO法人設立の現実的なヒントを得られるはずです。

あなたの中にある熱い想いは、社会を変える大きな力になります。

その一歩を、この記事が後押しできれば嬉しいです。

目次

原点は、たった一つの「こどもの困りごと」だった

私がNPO法人を設立したのは、大学3年生のときのことです。

きっかけは、アルバイトで訪れた大阪市内の小学校で出会った子どもたちでした。

その子どもたちは、経済的に恵まれていない家庭環境にあり、「勉強したいのに勉強ができない」「塾に行きたいけど、お金がなくて行けない」そんな声をたくさん耳にしました。

何かできないかと考えた私たちは、同じ大学の友人たちと一緒に、無料の塾を開いて学習支援を始めることにしました。

しかし、私たちも学生で、塾を運営するための資金がまったくありませんでした。

そこで、国や自治体から支援を受ける方法がないかを調べる中で、法人格を持つことの必要性を知り、
「きちんとした団体として活動していこう」と決意したのです。

また同時に、法人格のない任意団体のままでは、活動に共感してくれる仲間を集めるのが難しくなるのではないかという危機感もありました。

だからこそ、私たちは信頼される組織として、しっかりと活動を続けていくために、NPO法人を設立する道を選びました。

なぜ「任意団体」や「個人」ではなく「NPO法人」にしたのか

法人格には、実はさまざまな種類があります。

当初、一般社団法人にするか、NPO法人にするかでとても悩みました。

それでも最終的にNPO法人を選んだのは、「社会のために活動したい」「社会の流れを少しでも変えたい」そんな強い想いがあったからです。

ただの手続き上の選択ではなく、私たちの「意思表示」でもありました。

もちろん、気持ちだけで決めたわけではありません。

NPO法人は社会的な信頼性が非常に高く、国や自治体、財団、そして地域の社会福祉協議会からも、さまざまな支援を受けやすくなります。

さらに、経済的なメリットもありました。

たとえば、一般社団法人を設立するには登録免許税として約7万円が必要ですが、NPO法人は設立時の免許税が0円。

大学生だった私たちにとって、この違いは非常に大きなものでした。

そして今――2025年になった今でも、私たちはNPO法人として数多くの子どもたちに学習支援を届け、居場所づくりを続けています。

その中で感じるのは、税制面でも制度面でも、NPO法人にして本当に良かったという実感です。

立ち上げの過程で感じた「壁」と「学び」

書類づくりの壁――「定款って、なに?」からのスタート

大学生だった私たちは、日々の授業と並行して、約半年かけてNPO法人設立の準備を進めていました。

その中でも最初にぶつかったのが、「定款」などの書類作成の壁です。

「定款」とは、法人のルールや運営方針を定めた“団体の憲法”のようなもの。

聞き慣れない言葉ばかりに戸惑いながら、法律的な表現を用いて団体の実態に即した内容に整える作業は、想像以上に大変でした。

もちろん、市役所のホームページには記載例が載っていましたが、テンプレートのままでは通らないことも多く、何度も市役所に足を運び、電話で相談しながら、少しずつ形にしていきました。

予算ってこんなに難しいの?NPO会計の洗礼

次に直面したのが、事業計画書と活動予算書の作成です。

活動の内容だけでなく、それにかかるお金や収支を数値で示す必要があり、思っていた以上に難しい作業でした。

特に、NPO法人ならではの「事業費」と「管理費」の区別、その割合の制限などはまったく知らず、初回の提出後、市役所から何度も補正(修正)の依頼を受けることになりました。

「数字が合わない」「費用区分のルールを理解していない」など、まさにNPO法人独自の会計ルールの洗礼。

単にお金の話ではなく、信頼性や継続性をどう説明するかまで問われているような気がして、私たちは大いに悩みながらも学んでいきました。

仲間を集めるという、もうひとつの挑戦

書類や会計のハードルを越えた先に待っていたのが、「社員(正会員)を10名集める」という壁でした。

そもそも「社員」とは何か、どんな責任があるのかを理解しきれていなかった私たちは、最初どう説明すればいいのかもわからず、戸惑いました。

「こんな活動を始めたい」「力を貸してくれないか」と、正直に、自分たちの想いを伝えるところから始めました

最終的には、この想いに共感してくれた同じ大学の仲間たちが、社員になってくれることに。

あのとき、言葉にして想いを伝えることを恐れず動いた経験は、今でも自分たちの原点の一つになっています。

今だからこそ伝えたい「これから設立する人」へのメッセージ

この記事を読んでいるあなたは、きっと「社会のために活動したい」「社会を少しでも良くしたい」そんな熱い想いを抱いているのではないでしょうか。

私はそうした気持ちこそが、これからの日本にとって何より大切なものだと思っています。

そして、本気で社会を変えたいと願う人にこそ、NPO法人という選択肢は大きな意味を持ちます。

確かに、NPO法人の設立は簡単ではありません。

でも、その過程で得られる経験や、設立後に出会う「ありがとう」の言葉や子どもたちの笑顔は、何にも代えがたい、かけがえのない宝物になります。

あなたの中にある想いは、本物です。

その想いを、NPO法人という“カタチ”にすることで、社会に力強く訴えていくことができます。

どうか、その尊い想いを忘れずに。

一人ではなく、仲間と共に、一歩を踏み出してみてください。

まとめ|「想いをカタチにする」あなたの一歩を、全力で支えます

そんな熱い想いを実現するには、まずはNPO法人を設立する必要があります。

けれど、せっかくの尊い想いが、書類づくりや準備の大変さで挫折してしまう方も少なくありません。

私自身も、大学生の頃に半年かけて学友と書類を作り、何度も諦めかけながらようやく設立を実現しました。

そして今、活動の中で数えきれない「ありがとう」や子どもたちの笑顔に出会えたことは、何にも代えられない宝物です。

だからこそ、あなたには諦めてほしくない。

私たちは現在もNPO法人を運営し、設立や運営の支援に全力で取り組んでいます。

行政書士でありながら、現場の想いを知る“伴走者”として活動している事務所は、そう多くありません。

設立からその後の運営まで、あなたのペースに寄り添ってサポートします。

どうか、お一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

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