NPO法人の設立要件とは?必要な条件をわかりやすく解説

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  • NPO法人を設立したいけど、どんな要件が必要なのかわからない
  • 「人が足りない」「条件を満たせるか不安」と感じている
  • 自分たちでもNPO法人を設立できるのか知りたい

NPO法人を設立するためには、活動目的や社員の人数、役員の構成など、法律で定められた要件を満たす必要があります。

この記事では、NPO法人の設立に必要な要件を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、自分たちが設立要件を満たしているか、どこを確認すればよいのかがわかります。

\ この記事を書いた人 /

目﨑 敦也(めざき あつや)
アスタノ行政書士事務所

現役NPO法人理事長として、子ども支援団体NPO法人Unityを運営中。行政書士として、NPO法人の設立から助成金申請・運営サポートまで幅広く対応。

これからNPO法人を立ち上げたい方や、運営に悩む方をサポートしています。現場の経験をもとに、わかりやすくお伝えします。

目次

NPO法人の設立要件一覧

NPO法人を設立するためには、活動目的や社員の人数、役員の構成など、法律で定められた要件を満たす必要があります。

主な設立要件を整理すると、以下のとおりです。

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分類主な設立要件
目的に関する要件特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
営利を目的としないこと
宗教活動や政治上の主義に関する活動を主たる目的としないこと
特定の公職者・候補者・政党の推薦・支持・反対を目的としないこと
社員に関する要件社員が10人以上であること
社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
役員に関する要件理事3人以上、監事1人以上を置くこと
役員が欠格事由に該当しないこと
役員の親族等に関する制限を満たすこと
報酬を受ける役員が役員総数の3分の1以下であること
その他の要件暴力団またはその統制下にある団体ではないこと

ここからは、NPO法人の設立要件について項目ごとに詳しく解説していきます。

目的に関する要件

まずは、NPO法人の目的に関する要件について確認していきましょう。

主な要件は、以下の4つです。

  1. 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
  2. 営利を目的としないこと
  3. 宗教活動や政治上の主義に関する活動を主たる目的としないこと
  4. 特定の公職者・候補者・政党の推薦・支持・反対を目的としないこと

それぞれの要件について、順番に詳しく解説していきます。

特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること

NPO法人を設立するには、「特定非営利活動」を行うことを主たる目的とする必要があります。

ここでいう「特定非営利活動」とは、以下の2つの条件を満たす活動をいいます。

  1. NPO法で定められた20の活動分野のいずれかに該当すること
  2. 不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与すること

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

NPO法で定められた20の活動分野のいずれかに該当すること

NPO法で定められた「20の活動分野」は、以下のとおりです。

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 観光の振興を図る活動
  5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  7. 環境の保全を図る活動
  8. 災害救援活動
  9. 地域安全活動
  10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  11. 国際協力の活動
  12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  13. 子どもの健全育成を図る活動
  14. 情報化社会の発展を図る活動
  15. 科学技術の振興を図る活動
  16. 経済活動の活性化を図る活動
  17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  18. 消費者の保護を図る活動
  19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
  20. 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

自分たちの活動がどの分野に該当するのか迷う場合もあります。

20の活動分野の具体例や選び方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与すること

「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与すること」とは、特定の個人や団体だけの利益ではなく、社会全体の利益につながる活動であることを意味します。

たとえば、以下のような違いがあります。

自分の家族だけを支援する活動
→ 特定の人だけを対象としているため、原則として要件を満たしません
地域の子育て家庭を対象に支援する活動
→ 地域社会の利益につながる活動であれば、要件を満たすことがあります

営利を目的としないこと

「営利を目的としない」とは、利益を得てはいけないという意味ではなく、得た利益を社員などに分配しないことを意味します。

NPO法人でも事業によって収益を得ることは可能ですが、得た利益は、団体の目的を達成するための活動や運営に充てる必要があります。

つまり、「非営利=利益を出してはいけない」ではないという点が重要です。

宗教活動や政治上の主義に関する活動を主たる目的としないこと

NPO法人は、宗教活動や政治上の主義を推進・支持・反対する活動を主たる目的として設立することはできません。

たとえば、以下のような活動が該当します。

  • 宗教活動:宗教の教義を広めたり、儀式を行ったり、信者を増やすことを主な目的とする活動
  • 政治上の主義に関する活動:特定の政治上の主義を広めたり、支持・反対したりすることを主な目的とする活動

なお、具体的な政策について提言したり、法律案に賛成・反対したりする活動が、直ちに禁止されるわけではありません。

特定の公職者・候補者・政党の推薦・支持・反対を目的としないこと

NPO法人は、特定の公職者や候補者、政党を推薦・支持したり、反対したりすることを目的として設立することはできません。

たとえば、特定の候補者を当選させるための活動や、特定の政党を支持・反対することを目的とした活動などが該当します。

この要件については、宗教活動や政治上の主義に関する活動とは異なり、「主たる目的でなければよい」というものではない点に注意が必要です。

社員に関する要件

次に、NPO法人の社員に関する要件について確認していきましょう。

主な要件は、以下の2つです。

  1. 社員が10人以上であること
  2. 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと

それぞれ詳しく解説していきます。

社員が10人以上であること

NPO法人を設立するには、社員が10人以上必要です。

ここでいう「社員」とは、会社の従業員のことではなく、社員総会で議決権を持つNPO法人の構成員を指します。

一般的には、定款で「正会員」などと定められています。

また、社員には個人だけでなく、法人や任意団体がなることもできます。

社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと

NPO法人では、社員として入会したり退会したりする際に、不当に制限するような条件を設けることはできません。

ただし、社員になるための条件を一切設けてはいけないわけではなく、団体の目的や活動内容に照らして合理的な条件であれば、一定の資格要件を設けることも可能です。

たとえば、活動内容との合理的な理由がないにもかかわらず、特定の人しか社員になれないような厳しい条件を設ける場合などは、「不当な条件」と判断される可能性があります。

大切なのは、誰でも参加できることを基本としつつ、社員の資格を必要以上に制限しないことです。

役員に関する要件

次に、NPO法人の役員に関する要件について確認していきましょう。

主な要件は、以下の4つです。

  1. 理事3人以上、監事1人以上を置くこと
  2. 役員が欠格事由に該当しないこと
  3. 役員の親族等に関する制限を満たすこと
  4. 報酬を受ける役員が、役員総数の3分の1以下であること

理事3人以上、監事1人以上を置くこと

NPO法人を設立するには、理事3人以上、監事1人以上を置く必要があります。

理事は、NPO法人の業務を行う役員であり、監事は、理事の業務や法人の財産状況などを監査する役員です。

なお、監事は、理事やNPO法人の職員を兼ねることはできません。

役員が欠格事由に該当しないこと

NPO法人の役員には、法律で定められた「欠格事由」に該当する人を選任することはできません。

具体的には、以下のような人が該当します。

  1. 破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない人
  2. 拘禁刑以上の刑を受け、その執行を終えた日などから2年を経過していない人
  3. NPO法や暴対法などに違反して罰金刑を受け、その執行を終えた日などから2年を経過していない人
  4. 暴力団の構成員、または暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過していない人
  5. 設立認証を取り消されたNPO法人の解散当時の役員で、取消しの日から2年を経過していない人
  6. 心身の故障により、職務を適正に行うことができない者として内閣府令で定める人

これらの欠格事由に該当する人は、理事・監事のいずれにも就任することができません。

役員の親族等に関する制限を満たすこと

NPO法人では、役員同士の親族関係について一定の制限があります。

具体的には、次の2つの条件を満たす必要があります。

  1. 各役員について、その配偶者または三親等以内の親族が、役員の中に1人を超えて含まれないこと
  2. 各役員本人と、その配偶者・三親等以内の親族を合わせた人数が、役員総数の3分の1を超えないこと

そのため、役員総数が5人以下の場合は、役員同士が配偶者や三親等以内の親族になることはできません。

一方、役員総数が6人以上の場合は、上記の条件を満たす範囲で親族が一緒に役員になることができます。

三親等以内の親族には、父母・子・祖父母・孫・兄弟姉妹・叔父叔母・甥姪などが含まれます。

親族の範囲を図で示すと、以下のとおりです。

consanguinity
内閣府NPOホームページ

報酬を受ける役員が役員総数の3分の1以下であること

NPO法人では、報酬を受ける役員の数は、役員総数の3分の1以下でなければなりません。

たとえば、役員が6人いる場合、役員報酬を受け取ることができるのは2人までです。

ここでいう「報酬」とは、役員としての職務に対して支払われる対価を指します。

一方、役員が職員を兼ねている場合に、職員としての労働の対価として受け取る給与は、役員報酬には含まれません。

つまり、「役員として受け取る報酬」と「職員として受け取る給与」は区別して考える必要があります。

NPO法人の理事・監事の役割や任期、選任方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

その他の要件

その他の要件として、以下の点を満たす必要があります。

  1. 暴力団またはその統制下にある団体ではないこと

暴力団またはその統制下にある団体ではないこと

NPO法人を設立するには、暴力団または暴力団等の統制下にある団体でないことが求められます。

具体的には、以下のような団体はNPO法人として認められません。

  1. 暴力団そのものである団体
  2. 暴力団やその構成員の統制下にある団体
  3. 暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過していない者の統制下にある団体

NPO法人には、社会的な信頼性や健全な運営が求められるため、暴力団等による支配や統制を受けていないことが設立要件の一つとなっています。

NPO法人の設立要件チェックリスト

ここまで解説した内容をもとに、NPO法人の設立要件を確認してみましょう。

  1. 特定非営利活動を行うことを主たる目的としている
  2. 営利を目的としていない
  3. 宗教活動や政治上の主義に関する活動を主たる目的としていない
  4. 特定の公職者・候補者・政党の推薦・支持・反対を目的としていない
  5. 社員が10人以上いる
  6. 社員の資格の得喪に不当な条件を付けていない
  7. 理事3人以上、監事1人以上を置いている
  8. 役員が欠格事由に該当していない
  9. 役員の親族等に関する制限を満たしている
  10. 報酬を受ける役員が、役員総数の3分の1以下である
  11. 暴力団またはその統制下にある団体ではない

これらの要件を満たしているか確認したうえで、NPO法人の設立手続きを進めていきましょう。

なお、活動内容や役員構成によっては、要件を満たしているか判断に迷うケースもあります。

その場合は、申請前に所轄庁や専門家へ確認しておくと安心です。

まとめ|NPO法人設立のために押さえるべき基本要件

この記事では、NPO法人を設立するために必要な要件について解説しました。

要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 活動目的が特定非営利活動に該当し、非営利性や宗教・政治活動などに関する要件を満たしていること
  • 社員が10人以上おり、社員の資格について不当な条件を設けていないこと
  • 理事・監事の人数や欠格事由、親族制限、役員報酬などの要件を満たしていること

NPO法人を設立するには、活動内容だけでなく、社員や役員などの組織体制についても要件を満たす必要があります。

設立を検討している方は、まずはこの記事で紹介したチェックリストを使って、自分たちの団体が設立要件を満たしているか確認してみましょう。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご確認ください。

NPO法人設立の流れについて詳しく知りたい方はこちら

NPO法人の役員について詳しく知りたい方はこちら

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