NPO法人の設立登記のやり方|提出先・必要書類・注意点まとめ

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  • 登記って何を出せばいいのかよく分からない…
  • 認証が終わったらもう安心だと思っていた
  • 法務局に出すって聞くだけで不安になる

登記の準備を間違えると、せっかくの認証が無駄になってしまうこともあります。

この記事を書いた人

目﨑 敦也(めざき あつや)
アスタノ行政書士事務所

現役NPO法人理事長として、子ども支援団体NPO法人Unityを運営中。行政書士として、NPO法人の設立から助成金申請・運営サポートまで幅広く対応。

これからNPO法人を立ち上げたい方や、運営に悩む方をサポートしています。現場の経験をもとに、わかりやすくお伝えします。

この記事では、NPO法人の設立登記に必要な提出先・書類・提出方法・よくあるミスと注意点をわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、登記をスムーズに進めるための全体像と実務のポイントがしっかり理解できるはずです。

「登記は最後の山場」——失敗しないためにも、正確な準備で確実に法人格を取得しましょう。

目次

NPO法人の登記=法人格を取得するための最終ステップ

NPO法人を設立するには、所轄庁の「設立認証」を受けた後、法務局で「設立登記」を行う必要があります。

登記が完了して初めて、法人格を取得し、正式なNPO法人として活動することができます。

認証を受けただけでは法人とは認められないため、登記まで確実に完了させることが重要です。

登記の提出先|どの法務局に出せばいい?

登記の提出先は、NPO法人の主たる事務所の所在地を管轄する法務局です。

提出先を間違えると登記が受理されませんので、事前に必ず確認しておきましょう。

管轄法務局の調べ方

管轄の法務局は、法務省の公式サイトから簡単に調べることができます

以下のリンクから、一覧や地図を使って、管轄する法務局を確認してみてください。

登記の提出期限|いつまでに登記しないといけない?

登記の提出期限は、設立認証書を受け取ってから2週間以内と定められています。

この期限を過ぎると、「過料」と呼ばれる金銭の支払いを命じられる可能性があり、状況によっては認証が取り消される可能性もあります。

なるべく早めに準備を進め、設立認証書を受け取ってから1週間以内の提出を目指すと安心です。

設立登記に必要な書類一覧|準備すべき7つの書類

設立登記には、以下の書類を準備して法務局に提出します。

  • 登記申請書
  • 定款(所轄庁交付)※
  • 認証書(所轄庁交付)※
  • 設立代表者の就任承諾書※
  • 設立総会議事録※
  • 設立時の財産目録※
  • 設立代表者の印鑑証明書
  • 印鑑届書

提出した書類は、原則として返却されません

そのため、必要な書類については「原本還付請求」を行う必要があります。

※印が付いているものは、基本的に還付請求行うことをおすすめします。

原本還付を希望する場合は、あらかじめ提出書類のコピー用意し、そのコピーに原本証明を記載して押印します。

原本証明の記載例は、以下のとおりです。

原本に相違ありません
特定非営利活動法人 ○○○○○
理事 ○○ ○○  印

登記書類の提出方法|窓口・郵送・オンライン・代理、どれを選ぶ?

NPO法人の設立登記は、法務局に書類を提出することで完了しますが、その方法はいくつかの選択肢があります。

それぞれの方法の特徴やメリット・注意点を把握したうえで、自分たちに合った方法を選びましょう。

なお、迷った場合は「窓口での提出」がおすすめです。

その場で不備の指摘を受けられるため、初めてでも安心して進めることができます。

スクロールできます
提出方法特徴メリット注意点
窓口法務局に直接提出不備をその場で確認できる平日の日中に行く必要がある
郵送郵便で提出時間の自由が利く書類不備による差し戻しのリスク
オンライン申請電子申請自宅から手続き可能準備が複雑
代理申請(専門家に依頼)司法書士に相談ミスの心配が少ない費用がかかる

よくあるミスと注意点|不備で差し戻されないために

設立登記の書類は、不備があると法務局で補正や差し戻しとなり、再提出が必要になります。

余計な時間と手間を防ぐためにも、事前に以下のポイントを確認しておきましょう。

押印のミス

特に登記申請書への押印忘れがよく見られます。

他にも、就任承諾書や原本証明など、押印が必要な箇所はいくつもあります。

押印箇所はあらかじめ把握し、提出前に必ず再チェックしましょう。

原本還付の手続き忘れ

提出提出後に「原本が返ってこない」と気づき、慌てるケースも少なくありません。

還付を希望する書類には、原本証明の記載と押印が必要です。

保管しておきたい書類には、原本還付請求と原本証明を必ずセットで行いましょう。

提出部数や添付書類の不足

提出書類の部数が不足していたり、印鑑届出書の添付を忘れたりするミスもよくあります。

提出前に必要書類一覧を確認し、不備がないか再チェックしましょう。

まとめ|スムーズな登記のために押さえておくべきポイント

この記事では、NPO法人の設立登記の提出先、必要書類、提出方法、注意点について解説しました。

要点をまとめると以下の通りです。

  • 設立登記は、法人格を取得するための最終ステップであり、認証だけでは法人とはみなされません。
  • 提出先は、主たる事務所を管轄する法務局であり、提出期限は認証から2週間以内です。
  • 書類の不備(押印漏れ・原本還付の手続き忘れ・提出部数不足)に注意し、提出前の再チェックが重要です。

NPO法人の登記では、正確な書類準備と提出方法の選択が、スムーズな手続きのカギとなります。

設立登記に不安がある場合は、この記事でご紹介したポイントを押さえつつ、専門家のサポートも視野に入れて確実に進めてみてください。

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