NPO法人設立後に必要な手続き|登記完了後にやることをわかりやすく解説

  • NPO法人の設立登記が終わったけど、次に何をすればいいの?
  • 税務署や自治体への届出が必要なのか分からない
  • 役員報酬を支払ったり、職員を雇用したりするときの手続きを知りたい

NPO法人は、設立登記が完了すればすべての手続きが終わるわけではありません。

設立後は、所轄庁や自治体への届出をはじめ、収益事業の有無や役員報酬・職員の雇用状況に応じて、税務や社会保険などの手続きが必要になります。

本記事では、NPO法人を設立したあとに確認しておきたい主な手続きについて、タイミングごとにわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、自分たちの法人にどのような手続きが必要なのかを整理できるようになります。

\ この記事を書いた人 /

目﨑 敦也(めざき あつや)
アスタノ行政書士事務所

現役NPO法人理事長として、子ども支援団体NPO法人Unityを運営中。行政書士として、NPO法人の設立から助成金申請・運営サポートまで幅広く対応。

これからNPO法人を立ち上げたい方や、運営に悩む方をサポートしています。現場の経験をもとに、わかりやすくお伝えします。

目次

NPO法人は設立後にも手続きが必要

NPO法人は、所轄庁から設立認証を受けたあと、法務局で設立登記をすることで法人として成立します。

ただし、設立登記が完了すれば、すべての手続きが終わるわけではありません。

設立後は、所轄庁への届出をはじめ、法人の活動内容や運営状況に応じて、税務や社会保険などの手続きが必要になります。

主に確認しておきたいのは、次の3つのタイミングです。

  • NPO法人を設立したとき
  • 収益事業を行うとき
  • 役員報酬を支払う・職員を雇用するとき

NPO法人を設立したときに必要な手続き

NPO法人の設立登記が完了したら、まずは所轄庁や都道府県・市区町村への届出を確認しましょう。

設立登記によって法人は成立しますが、その後も法人を設立したことを届け出る手続きが必要です。

所轄庁へ設立登記完了届を提出する

NPO法人の設立登記が完了したら、所轄庁へ設立登記が完了したことを届け出る必要があります。

設立登記完了届は、NPO法人が登記によって正式に成立したことを所轄庁へ報告するための手続きです。

主に次の書類を提出します。

  • 設立登記完了届出書
  • 登記事項証明書
  • 設立当初の財産目録

提出期限は「〇日以内」と決められているわけではなく、法人の成立後、遅滞なく提出する必要があります。

なお、必要な書類や提出部数などは所轄庁によって異なる場合があるため、提出前に管轄する所轄庁の案内を確認しておきましょう。

都道府県・市区町村へ法人設立の届出を行う

NPO法人を設立した場合は、原則として、事務所所在地を管轄する都道府県と市区町村のそれぞれに、法人設立に関する届出を行います。

一般的には、「法人設立届出書」などの書類に、登記事項証明書や定款などを添付して提出します。

提出先や提出期限、必要書類などは自治体によって異なるため、それぞれの自治体の案内を確認しておきましょう。

収益事業を行うときに必要な手続き

NPO法人が法人税法上の収益事業を行う場合は、税務署への届出や法人税の申告などが必要になります。

ここでいう「収益事業」とは、単に収入が発生する事業という意味ではなく、法人税法で定められた一定の事業をいいます。

そのため、有料でサービスを提供している場合でも、必ずしも法人税法上の収益事業に該当するとは限りません。

税務署へ収益事業開始届出書を提出する

NPO法人が新たに法人税法上の収益事業を開始した場合は、納税地を管轄する税務署へ「収益事業開始届出書」を提出します。

提出期限は、収益事業を開始した日から2か月以内です。

届出書には、主に次の書類を添付します。

  • 収益事業を開始した日の貸借対照表
  • 定款の写し

法人税・地方税の手続きを確認する

NPO法人が法人税法上の収益事業を行う場合は、その収益事業から生じた所得が法人税の課税対象となります。

また、国に納める法人税だけでなく、都道府県や市区町村に納める法人住民税や法人事業税などの地方税についても確認が必要です。

税金の種類や申告の内容は法人の状況によって異なるため、収益事業を行う場合は、税務署だけでなく都道府県・市区町村の税務担当窓口についても確認しておきましょう。

役員報酬を支払う・職員を雇用するときに必要な手続き

NPO法人で役員報酬を支払う場合や職員を雇用する場合は、給与に関する税務手続きや社会保険などの手続きが必要になることがあります。

また、職員を雇用する場合は、労災保険や雇用保険についても確認が必要です。

必要な手続きは、報酬の有無や雇用する職員の働き方などによって異なります。

給与に関する税務手続きを行う

NPO法人が役員報酬や職員への給与を支払う場合は、給与に関する税務手続きが必要になります。

まず、給与の支払事務を行う事務所を開設した場合は、原則として開設から1か月以内に「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署へ提出します。

また、給与や役員報酬を支払う際には、所得税を源泉徴収し、原則として支払った月の翌月10日までに納付します。

なお、給与を支給する人数が常時10人未満の場合は、申請することで源泉所得税を年2回にまとめて納付できる「納期の特例」を利用することもできます。

社会保険の手続きを確認する

NPO法人で役員報酬を支払う場合や、加入要件を満たす職員を雇用する場合は、健康保険・厚生年金保険の手続きが必要になります。

新たに社会保険の適用を受ける場合は、原則として事実発生から5日以内に「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を年金事務所などへ提出します。

また、加入対象となる役員や職員については、「被保険者資格取得届」などの手続きも必要です。

なお、無報酬の役員しかいない場合など、社会保険への加入が必要ないケースもあるため、役員報酬の有無や職員の働き方を確認して手続きを進めましょう。

職員を雇用する場合は労働保険・雇用保険の手続きを行う

NPO法人が職員を雇用する場合は、労災保険や雇用保険の手続きも確認する必要があります。

労災保険は、原則として労働者を1人でも雇用すると加入が必要です。

一方、雇用保険は、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇用される見込みがある職員が加入対象となります。

初めて職員を雇用する場合は、「労働保険 保険関係成立届」などを提出し、雇用保険の対象となる職員がいる場合は、「雇用保険適用事業所設置届」や「雇用保険被保険者資格取得届」などの手続きも行います。

職員の勤務時間や雇用期間などによって必要な手続きが異なるため、雇用条件を確認したうえで手続きを進めましょう。

設立後に必要な届出・手続きが終わったら法人運営の準備を進めよう

NPO法人の設立後に必要な届出や手続きが終わったら、次は実際に法人を運営していくための準備を進めていきましょう。

たとえば、法人名義の銀行口座の開設やクレジットカードの作成、会計環境の整備、メールアドレスや名刺の準備などがあります。

これらは設立そのものに必要な手続きではありませんが、今後の法人運営をスムーズに進めるためには、早めに準備しておくと安心です。

NPO法人設立後の実務準備については、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ|NPO法人設立後に必要な手続きを忘れずに確認しよう

この記事では、NPO法人の設立登記後に必要となる主な手続きについて解説しました。

要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 設立後は、所轄庁や都道府県・市区町村への届出が必要
  • 収益事業を行う場合は、税務署への届出や法人税・地方税の確認が必要
  • 役員報酬を支払う場合や職員を雇用する場合は、税務・社会保険・労働保険などの手続きが必要

NPO法人は、設立登記が完了したあとも、活動内容や運営体制に応じて必要な手続きが異なります。

設立後に必要な手続きを確認し、自分たちの法人に該当するものを忘れずに進めていきましょう。

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所轄庁によっては独自の様式が指定されている場合もあるため、事前に確認のうえ、該当する様式がある場合はそちらを利用するようにしましょう。

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