
NPO法人の運営体制とは?総会主導型・理事会主導型の違いと選び方

- NPO法人を立ち上げたものの、誰が何を決めるのかよく分からない
- 総会や理事会と聞くと、難しそうで後回しにしている
- 運営を始めてから、この体制で本当に大丈夫なのか不安になる
NPO法人の運営では、「誰が意思決定をするのか」をはっきりさせておかないと、あとからトラブルや行き詰まりにつながることがあります。
この記事では、NPO法人の運営体制である総会主導型と理事会主導型の違いや、それぞれの特徴、選び方についてわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、自分たちの団体に合った運営体制を判断できるようになります。
NPO法人の運営体制は、完璧を目指すより「今の団体に合っているか」を基準に選ぶことが大切です。
NPO法人の運営体制とは?
NPO法人の運営体制とは、「誰が意思決定を行い、どのように法人を動かしていくのか」というルールを仕組みとして定めたものです。
NPO法人では、主に次の2つの機関が運営の中心となります。
- 総会:社員(正会員)が集まり、法人の方針や重要事項を決定する会議
- 理事会:理事が集まり、日常的な運営や業務執行について決定する会議
この総会と理事会のどちらが主導権を持つかによって、NPO法人の運営体制は大きく変わります。
- 総会主導型:できるだけ多くの社員の意見を反映させながら運営する形
- 理事会主導型:理事会の判断を中心に、スピーディーな運営を重視する形
どちらが正解・不正解というわけではありません。
法人の規模や活動内容、目指す方向性によって、向いている運営体制がはっきりと分かれます。
総会主導型と理事会主導型の違い【比較】
NPO法人の運営体制は、「総会主導型」と「理事会主導型」のどちらを選ぶかによって、意思決定の進め方や法人の動き方が大きく変わります。
まずは、全体像を表で整理してみましょう。
| 項目 | 総会主導型 | 理事会主導型 |
|---|---|---|
| 意思決定の中心 | 総会(社員) | 理事会(理事) |
| 重視する点 | みんなで話し合って決める | スピード感・実行力 |
| メリット | 多くの意見を反映できる | 判断が早く、柔軟に動ける |
| デメリット | 決定に時間がかかる | 理事の負担が大きくなりやすい |
総会主導型の特徴・メリット・デメリット
総会主導型は、社員全員の意見を大切にしながら運営する体制です。
重要ば事項は総会で決定するため、社員全員で話し合って決めることになり、「勝手に物事が決まっている」という不満が出にくいというメリットがあります。
一方で、決定のたびに総会を開いて合意を取る必要があるため、スピード感が求められる場面では動きにくくなるという点には注意が必要です。
理事会主導型の特徴・メリット・デメリット
理事会主導型は、理事会の判断を中心に法人を運営する体制です。
理事会で決定できる範囲が広いため、事業の立ち上げや方針の変更などをスピーディーに進めやすいというメリットがあります。
一方で、理事に判断や業務が集中しやすく、理事の負担が大きくなりやすい点や、社員との情報共有が不足すると不信感につながる可能性がある点には注意が必要です。
総会主導型と理事会主導型の選び方
総会主導型と理事会主導型のそれぞれに向いているケースは、次のとおりです。
総会主導型が向いているケース
- 社員の数が少なく、全員で集まりやすい
- 話し合いを重ねながら、納得感を大切にしたい
- 急な意思決定があまり発生しない
理事会主導型が向いているケース
- 事業の立ち上げや拡大を予定している
- 日常的な判断をスピーディーに行いたい
- 社員の数が多く、毎回総会を開くのが難しい
「みんなで決めて、みんなで運営したい」場合は総会主導型、「スピーディーに動くことを重視したい」場合は、理事会主導型のほうが合いやすいといえるでしょう。
「どちらが良いか決めきれない…」という場合は、まずは総会主導型から始めることをおすすめします。
活動を続けていく中で、「総会主導では運営が難しくなってきた」と感じた場合でも、定款変更の手続きを行えば理事会主導型へ変更することが可能です。
最初から完璧な形を目指すよりも、今の規模・メンバー構成に合った運営体制を選ぶことが大切です。
よくある失敗例|運営体制でつまずきやすいポイント
NPO法人の運営体制は、設立時にあまり深く考えずに決めてしまい、後から「こんなはずじゃなかった…」と感じるケースが少なくありません。
ここでは、実務でよく見られる失敗例を紹介します。
- 実態と合っていない運営体制を選んでしまう
-
よくあるのが、「とりあえず総会主導型にしておこう」「なんとなく理事会主導型にした」と、実態をよく考えずに決めてしまうケースです。
例えば、社員数が多く、頻繁な意思決定が必要なのに総会主導型にしてしまうと、総会を開くたびに時間と手間がかかり、運営が滞ってしまうことがあります。
- 定款と実際の運営がズレてしまう
-
定款では総会主導型になっているのに、実際には理事会だけで物事を決めているというケースも少なくありません。
この状態が続くと
- 定款違反と指摘される可能性がある
- 社員から不信感を持たれる
- トラブルが起きたときに説明ができない
といった問題につながる恐れがあります。
- 変更できることを知らずに我慢し続ける
-
「一度決めた運営体制は変えられない」と思い込み、合わなくなっても我慢し続けてしまうのも、よくある失敗です。
実際には、NPO法人の運営体制は定款変更の手続きを行えば見なすことが可能です。
最初に選んだ体制に固執しすぎず、必要に応じて体制の変更を行いましょう。
具体的な定款変更の手続きの流れは以下の記事で詳しく解説しています。
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運営体制は定款で決める
NPO法人の運営体制は、定款に記載された内容にもとづいて決まります。
つまり、「総会主導型にするのか」「理事会主導型にするのか」は、定款であらかじめルールとして定めておく必要があります。
運営体制は、定款に記載されている総会の権限や理事会の権限によって決まります。
これらの内容によって、どこまでを総会で決めるのか、どこからを理事会で決められるのかが明確になります。
具体的な定款の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ|NPO法人に合った運営体制を選ぶために
この記事では、NPO法人の運営体制である「総会主導型」と「理事会主導型」の違いと選び方について解説しました。
要点をまとめると以下のとおりです。
- NPO法人の運営体制は「総会主導型」と「理事会主導型」の2つに分かれる
- 話し合いを重視するなら総会主導型、スピードを重視するなら理事会主導型
- 運営体制は定款で定め、後から見直すことも可能
最初から完璧な形を目指すのではなく、「今の団体に合っているか」を基準に考えることが重要なポイントとなります。
NPO法人の運営体制を決める際は、ぜひこのポイントを抑えて、自分たちに無理のない形で選んでみてください。
さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。




