
NPO法人のメリット・デメリットとは?設立前に知っておきたいポイントを解説

- NPO法人には、どんなメリットがあるの?
- 設立後にどんな負担がある?
- 自分たちの団体にNPO法人が向いているのか分からない…
NPO法人は、法人格を取得することで、契約や資金調達などさまざまなメリットがあります。
一方で、10人以上の社員が必要であったり、設立後も一定のルールに沿って運営する必要があります。
この記事では、NPO法人の5つのメリット・5つのデメリットと、向いている団体・向いていない団体について分かりやすく解説します。
NPO法人の5つのメリット
法人名義で契約や口座開設ができる
NPO法人を設立すると、法人名義で契約を結んだり、銀行口座を開設したりできるようになります。
任意団体では、賃貸借契約や銀行口座を代表者個人の名義で管理するケースもあります。
その場合、代表者が交代した際の名義変更や、個人の財産と団体の財産の区別が課題になることがあります。
法人格を取得することで、契約や財産を団体として管理しやすくなり、継続的な運営につなげやすくなります。
社会的な信用を得やすい
NPO法人は、法人格を持ち、定款や事業報告書など一定の情報公開が求められるため、任意団体と比べて組織の実態や活動内容を説明しやすくなります。
そのため、行政や企業、他団体、支援者などから信頼を得やすくなり、連携や協働につながることがあります。
ただし、NPO法人になれば自動的に信用が高まるわけではなく、継続的な活動実績や適切な情報公開を行うことも重要です。
法人格が必要な許認可・指定申請ができる
事業の内容によっては、許認可や指定を受けるために法人格が必要となる場合があります。
たとえば、介護・障がい福祉などの事業では、法人であることが指定を受けるための要件の一つとされているケースがあります。
NPO法人として法人格を取得することで、こうした事業への参入を検討できるようになります。
ただし、実際に許認可や指定を受けるには、それぞれの制度で定められた要件を満たす必要があります。
補助金・助成金など資金調達の選択肢が広がる
NPO法人になることで、補助金や助成金など、資金調達の選択肢が広がる場合があります。
制度によっては、法人格を持つ団体が対象となっていたり、継続的な組織運営や会計管理が求められたりするため、任意団体より申請できる制度の幅が広がることがあります。
ただし、NPO法人であれば必ず採択されるわけではありません。
各制度の対象要件や審査基準を確認したうえで申請することが大切です。
設立時の法定費用を抑えられる
NPO法人は、設立時の法定費用を比較的抑えやすい法人形態です。
設立認証の申請手数料や、設立登記にかかる登録免許税は原則としてかかりません。
そのため、株式会社や一般社団法人と比べると、法人設立時の費用負担を小さくしやすい点がメリットです。
ただし、印鑑の作成費用や各種証明書の取得費用、郵送費などの実費は別途必要になります。
NPO法人の5つのデメリット
設立までに時間がかかる
NPO法人は、株式会社や一般社団法人と比べて、設立までに時間がかかる傾向があります。
設立するには、必要書類を準備したうえで所轄庁へ申請し、認証を受けた後に法務局で設立登記を行う必要があります。
そのため、できるだけ早く法人化したい場合には不向きなことがあります。
設立を検討する際は、事業開始時期から逆算して準備を進めることが大切です。
NPO法人設立の流れについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

10人以上の社員が必要
NPO法人を設立するには、10人以上の社員が必要です。
ここでいう「社員」とは、従業員ではなく、総会で議決権を持つ構成員のことを指します。
そのため、少人数で活動している団体にとっては、設立時に一定数のメンバーを集める必要がある点が負担になることがあります。
設立前に、継続的に関わってもらえる社員を確保できるか確認しておくことが大切です。
活動内容がNPO法の20分野に限られる
NPO法人として活動するには、事業内容がNPO法で定められた20の活動分野のいずれかに該当する必要があります。
そのため、どのような事業でも自由にNPO法人として行えるわけではありません。
設立を検討する際は、自団体の活動がどの分野に当てはまるのかを事前に確認しておくことが大切です。
20の活動分野については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

毎年の事業報告や情報公開が必要
NPO法人は、毎事業年度終了後に事業報告書や活動計算書、貸借対照表などを作成し、所轄庁へ提出する必要があります。
また、これらの書類は一定の範囲で公開されるため、継続的に適切な会計処理や書類作成を行わなければなりません。
任意団体と比べると事務負担が増えるため、設立後の運営体制まで考えておくことが大切です。
事業報告書については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

組織運営に一定のルールがある
NPO法人は、定款やNPO法に基づいて組織を運営する必要があります。
たとえば、社員総会の開催や役員の選任、定款変更、各種届出など、一定の手続きやルールに沿って運営しなければなりません。
そのため、代表者だけで自由に意思決定できる任意団体と比べると、運営に手間がかかる場合があります。
設立前に、継続して適切な組織運営ができる体制を整えておくことが大切です。
NPO法人に向いている団体
NPO法人は、社会課題の解決や地域貢献などを目的として、継続的に活動していきたい団体に向いています。
具体的には、以下のような団体が考えられます。
- 社会貢献活動を継続的に行いたい団体
- 行政や企業、他団体と連携して活動したい団体
- 補助金・助成金などを活用して活動を広げたい団体
- 10人以上の社員を確保できる団体
- 事業報告や情報公開など、一定のルールに沿って運営できる団体
NPO法人には設立後も一定の運営ルールがあるため、活動目的だけでなく、今後の組織体制や資金調達の方法も踏まえて検討することが大切です。
NPO法人に向いていない団体
NPO法人は、すべての団体に向いているわけではありません。
活動内容や組織体制によっては、一般社団法人や株式会社など、別の法人形態の方が適している場合もあります。
特に、以下のような団体は慎重に検討した方がよいでしょう。
- 少人数で法人を設立したい団体
- できるだけ早く法人化したい団体
- 組織運営をできるだけシンプルにしたい団体
- 活動内容がNPO法の20分野に当てはまりにくい団体
- 毎年の事業報告や情報公開に負担を感じる団体
法人格を取得すること自体を目的にするのではなく、活動内容や将来の運営方法に合った法人形態を選ぶことが大切です。
NPO法人と一般社団法人の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
法人形態を検討している方は、あわせてご覧ください。

まとめ|メリット・デメリットを理解してNPO法人を選ぼう
この記事では、NPO法人のメリット・デメリットや、向いている団体・向いていない団体について解説しました。
要点をまとめると、以下のとおりです。
- NPO法人は、法人名義での契約や許認可・指定申請、資金調達など、法人格を取得することで得られるメリットがある
- 一方で、10人以上の社員が必要であり、毎年の事業報告や一定の組織運営ルールなど、設立後も継続的な対応が求められる
- 活動目的だけでなく、今後の運営体制や資金調達の方法も踏まえて、自団体に合った法人形態を選ぶことが大切
NPO法人には多くのメリットがありますが、すべての団体に適しているわけではありません。
メリット・デメリットの両方を理解したうえで、今後の活動方針や組織体制に合っているかを検討しましょう。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
NPO法人と一般社団法人の違いについて詳しく知りたい方

NPO法人設立の流れについて詳しく知りたい方



