【テンプレ付】NPO法人の社員名簿の書き方|記載例・注意点を解説

- 提出書類に「社員名簿」とあるけど、誰をどう書けばいいのかよくわからない
- 「社員」って、従業員のことじゃないの?
- 名前と住所だけでいいって聞いたけど、それだけで本当に大丈夫?
NPO法人の設立時に必要な「社員名簿」ですが、実は意外と差し戻しが多い書類のひとつです。

目﨑 敦也(めざき あつや)
アスタノ行政書士事務所
現役NPO法人理事長として、子ども支援団体NPO法人Unityを運営中。行政書士として、NPO法人の設立から助成金申請・運営サポートまで幅広く対応。
これからNPO法人を立ち上げたい方や、運営に悩む方をサポートしています。現場の経験をもとに、わかりやすくお伝えします。
この記事では、社員名簿とは何か、どう書けばいいのか、そしてよくあるミスとその対策までを、初心者の方にもわかりやすく解説しています。
この記事を読むことで、誰にでも正しく社員名簿が作成できるようになり、提出時の不安や差し戻しのリスクを減らすことができます。
結論として、社員名簿は「形式」と「正確さ」がポイントです。
しっかり整えて、スムーズに設立を進めましょう。
社員名簿とは?|社員の基本情報についてまとめた書類
社員名簿とは、NPO法人の社員について、氏名・住所などの基本情報を一覧にまとめた書類です。
この社員名簿は、NPO法人の設立時に所轄庁へ提出する必要があります。
ここでいう「社員」とは、一般的な企業における「従業員」や「職員」のことではなく、NPO法人の総会に出席し、議決権を持つ構成員のことを指します。
NPO法人を設立する際には、10人以上の社員が必要ですが、提出する社員名簿には、代表的な10名を記載すれば問題ありません。
なお、社員になれるのは個人に限らず、法人や任意団体でも構成員となることが可能です。
社員名簿のイメージは、以下のとおりです。

社員名簿の書き方|記載すべき2つの基本項目
NPO法人の設立時に提出する社員名簿には、以下の項目を記載する必要があります。
- 氏名
- 住所
それぞれの項目について、以下で詳しく解説していきます。
1.氏名
社員となる個人の氏名、または法人・任意団体の名称を記載します。
なお、社員が法人や任意団体である場合は、その代表者の氏名もあわせて記載します。
2.住所
社員となる個人や法人・団体の住所を記載します。
法人の場合は、法人の主たる事務所の所在地を、任意団体の場合は、代表者の自宅住所を記載します。
いずれの場合も、番地まで省略せずに、住民票や登記簿謄本に記載されている正式な表記で記入することが重要です。
社員名簿のよくあるミスと注意点
ここでは、実務でよく見られる役員名簿のよくある落とし穴と、注意すべきポイントについて解説します。
内容に不備があると、所轄庁から申請を差し戻され、法人設立が大幅に遅れる可能性もあるため、十分な注意が必要です。
- 親族要件が必要だと誤解している
-
NPO法人の社員には、役員のような「親族制限」はありません。
そのため、兄弟・親子などの親族が複数含まれていても構成自体は問題ありません。
ただし、社員がすべて親族のみで構成されていると、運営の公正性や中立性に疑問をもたれる可能性があります。
そのため、社員のバランスには十分注意が必要です。
- 役員と社員が兼任できないと誤解している
-
NPO法人では、社員と役員(理事・監事)は兼任可能です。
むしろ、設立初期はほとんどのケースで、社員がそのまま役員を兼任することになります。
- 氏名・住所の記載内容が不適切
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社員名簿に記載しる氏名や住所は、省略せずに正式な表記で記入する必要があります。
また、社員と役員を兼任している場合は、社員名簿と役員名簿の両方に氏名・住所を記載する必要があります。
このとき、2つの名簿で表記が一致していないと、差し戻しの原因となるため、特に注意が必要です。
【記載例付】社員名簿テンプレートを無料配布中!
社員名簿のテンプレートで無料配布します。
必要に応じて、自由にご活用ください。
また、所轄庁によっては独自の様式を配布している場合もありますので、事前に確認のうえ、そちらの様式を利用することもおすすめします。
まとめ|社員名簿は「形式」と「正確さ」がチェックのカギ
この記事では、NPO法人の設立時に必要となる「社員名簿」の書き方と注意点について解説しました。
要点をまとめると、以下の通りです。
- 社員名簿に記載するのは「議決権を持つ構成員」の情報であり、従業員や職員ではない
- 記載する項目は「氏名」と「住所」の2つ。住民票や登記簿に準じた正式な表記で記入する
- 親族構成・役員との兼任・名簿の整合性など、誤解しやすいポイントに注意が必要
社員名簿では、記載内容の正確さと書類間の整合性が重要なポイントとなります。
NPO法人の設立手続きでつまずかないためにも、このポイントを押さえて、書類を丁寧に整えておくことが大切です。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。


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