【保存版】NPO法人活動計算書の書き方|記載例・注意点を解説

  • 活動計算書と聞くだけで、会計が苦手で手が止まってしまう
  • 事業費と管理費の違いが分からず、これで合っているのか不安になる
  • 行政に提出する書類だからこそ、間違えたらどうしようと悩んでいる

NPO法人の活動計算書、なんとなく作っていませんか?

この記事では、NPO法人の活動計算書について、基本的な考え方から具体的な書き方、よくある注意点までを分かりやすく解説しています。

この記事を読むことで、活動計算書をどのような順番・考え方で作成すればよいのかが整理でき、迷わず作成できるようになります。

活動計算書は、ポイントを押さえれば、会計が苦手な方でも正しく作成できる書類です。

\ この記事を書いた人 /

目﨑 敦也(めざき あつや)
アスタノ行政書士事務所

現役NPO法人理事長として、子ども支援団体NPO法人Unityを運営中。行政書士として、NPO法人の設立から助成金申請・運営サポートまで幅広く対応。

これからNPO法人を立ち上げたい方や、運営に悩む方をサポートしています。現場の経験をもとに、わかりやすくお伝えします。

目次

活動計算書とは?|1年間のお金の流れを表す書類

活動計算書とは、NPO法人が1年間でどのような活動を行い、その結果としてどれだけの収益と費用があったのかをまとめた書類です。

簡単に言うと、「1年間でお金がどこから入り、何に使われたのか」を整理して示す書類と考えるとわかりやすいでしょう。

株式会社でいう「損益計算書(P/L)」に近い役割を持つ書類ですが、NPO法人の場合は、利益ではなく活動内容と資金の使い方を明らかにすることが重視されます。

活動計算書は、他の決算書や事業報告書とあわせて、毎年、所轄庁(行政庁)へ提出する必要があります

なお、活動計算書以外の決算書や事業報告書の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。

活動計算書の基本的な構成

活動計算書は、大きく分けると、次の3つのブロックで構成されています。

  1. 経常収益
  2. 経常費用
  3. 当期正味財産増減額

1.経常収益|NPO法人に入ってきたお金

経常収益とは、NPO法人が活動を行う中で得た収入のことをいいます。

たとえば、次のようなものが該当します。

  1. 受取会費
  2. 受取寄付金
  3. 受取助成金等
  4. 事業収益

ここでは、「どこから、どのような形でお金が入ってきたのか」が分かるように整理して記載することが大切です。

2.経常費用|活動のために使ったお金

「経常費用」は、NPO法人が活動を行うために使った費用のことをいいます。

経常費用は、さらに次の2つに分けて考えます。

  1. 事業費
  2. 管理費

事業費|活動そのものにかかった費用

事業費とは、NPO法人が行う活動に直接かかった費用のことです。

たとえば、次のようなものが該当します。

  1. イベント開催費用
  2. 教材費
  3. 会場費
  4. 講師謝金 など

管理費|法人を運営するために必要な費用

管理費とは、NPO法人を維持・運営していくために必要な費用のことです。

たとえば、次のようなものが該当します。

  1. 事務所家賃
  2. 通信費
  3. 会計ソフト利用料
  4. 行政手続き関連費用 など

3.当期正味財産増減額|経常収益から経常費用を引いたもの

経常収益から経常費用を差し引いた結果が、当期正味財産増減額です。

これは、NPO法人が1年間の活動を通じて、財産が増えたのか減ったのかを示しています。

具体的には、

  1. プラスであれば → 財産が増えた
  2. マイナスであれば → 財産が減った

という意味になります。

NPO法人では、「黒字か赤字か」だけを見るのではなく、活動の結果として法人の財産がどのように変化したのかを正しく示すことが大切です。

活動計算書の具体的な書き方【項目別】

1.経常収益

経常収益は、NPO法人に入ってきたお金の内容ごとに分けて記載します。

主な項目は次のとおりです。

受取会費

正会員・賛助会員などから受け取った会費を記載します。

会費の種類が複数ある場合は、内訳が分かるように整理すると親切です。

受取寄附金

個人や法人からの寄附金を記載します。

使途が決まっている寄附金がある場合でも、まずは収益として計上します。

受取助成金等

国・自治体・民間団体などから受け取った助成金を記載します。

助成金は金額が大きくなりやすいため、記載漏れに注意が必要です。

事業収益

イベント参加費、利用料、受講料など、NPO法人の事業活動によって得た収入を記載します。

2.経常費用

経常費用は、いきなり細かく分類しようとすると混乱しがちです。

そのため、次の2つのステップに分けて考えると分かりやすくなります。

1.まずは「事業費」と「管理費」に分ける

最初に考えるのは、その支出が「活動のためのものか」「法人運営のためのものか」です。

  1. 事業費
    活動そのものに直接かかった費用
    (例:イベント開催費、教材費、会場費 など)
  2. 管理費
    法人を維持・運営するために必要な費用
    (例:事務所家賃、通信費、会計ソフト利用料 など)

2.「人件費」と「その他経費」に分ける

事業費・管理費に分けたあとは、それぞれをさらに次の2つに分類します。

  1. 人件費
    給与、役員報酬、法定福利費など、人に関する費用
  2. その他経費
    消耗品費、通信費、会場費など、人件費以外の費用

迷ったときの考え方

分類に迷った場合は、次の問いを投げかけてみてください。

この支出は、事業を行うために必要だったのか?それとも法人を維持するために必要だったのか?

この視点で考えると、多くのケースで判断しやすくなります。

活動計算書のよくあるミスと注意点

ここでは、実務でよく見られる活動計算書のミスについて解説します。

区分を毎年変えてしまう

前年は事業費だったものを、理由なく翌年は管理費にしてしまうと、前年との比較ができなくなります

活動計算書では、毎年同じ基準で作成する「一貫性」がとても重要です。

区分を変更する場合は、

  • なぜ変更したのか
  • 事業内容に変化があったのか

を説明できるようにしておきましょう。

人件費をすべて事業費、または管理費にしてしまう

人件費は、内容によって事業費にも管理費にもなります

たとえば、

  • イベント運営を行う職員の給与 → 事業費
  • 会計・事務を担当する職員の給与 → 管理費

というように、その人が何の業務をしているかで判断します。

すべてを一方にまとめてしまうと、活動の実態が正しく伝わらなくなるため注意が必要です。

事業費と管理費を感覚で分けてしまう

よくあるのが、「これは事業っぽいから事業費」「事務関係だから管理費」となんとなくの印象で分類してしまうケースです。

事業費と管理費は、支出の目的で判断するのが基本です。

  • その支出がなければ、事業は実施できなかったか
  • 法人を運営するために必要な支出か

この視点で整理すると、ブレが少なくなります。

まとめ|活動計算書を正しく作成するために

この記事では、NPO法人の活動計算書の考え方と具体的な書き方について解説しました。

要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 活動計算書は、NPO法人の1年間の活動とお金の流れを示す重要な書類
  • 経常費用は、まず事業費と管理費に分け、その後に人件費とその他経費で整理する
  • 事業費と管理費の区分は、支出の目的を基準にし、毎年同じ考え方で作成すること

活動計算書の作成では、金額が合っていること以上に、「内容が実態に合っていることが重要なポイントとなります。

活動計算書を作成する際は、ぜひ今回ご紹介したポイントを押さえながら、まずはシンプルに、分かりやすく整理することから始めてみてください。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

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